それから1年後、私の真っ黒な毎日はすべて勉強へと注がれ、念願の東京の大学に合格し、キヨミちゃんの部屋に居候することで上京を許された。 あれは風の強い晴れた春の日。 咲き誇った桜は散り、私の去り行く町に降り注いだ。 故郷を去るのは、全く悲しくなかった。