私のいとこのお姉ちゃんはハタチで、ヒッピーしながら東京で暮らしてた。
名前はキヨミちゃん。

親戚たちはそんなキヨミちゃんをいつも悪く言っていたけれど、東京での話をするキヨミちゃんが、気だるそうに痛みまくった明るい髪をかきあげながらも、マスカラを塗りたくった瞳の奥がギラギラするのを見て、私は無意識に魅了されていた。

東京の端くれに私を満足させてくれるような世界が、私を受け入れてくれるような世界が

あるような気がして、私はいつの間にか東京の大学を志していた。