キッド、エミリー、力也、貴志、ミノル、そして私の六人は毎夜クラウンで飲み、語り、JAZZに溺れていた。

みな、心の奥底にはこの時代を生きるぽっかりとした穴があいていたのだと思う。

この十代、二十代という、どうしようもなくもどかしい時間をこの仲間たちと分かち合っていた時、私はとても幸福を覚えていた。

JAZZでさえ、ひとつの旋律ばかり永遠には奏でてくれないということは分かりきっていたのに。