「どんな夢が、見られるのよ」
「……」
「力也ってば」
「……」
「頂戴よ」
そう言ったのと同時に、力也のごつごつした太い腕が私の前髪を掴み、彼の顔の前に引き寄せた。力也が強引に私の顔を持ち上げると、彼は私に強く口付けをした。私の口の中に広がる、彼の唾液に混じった甘いクスリ。
一旦顔を離し、それを口の中で弄ぶと、力也がもう一度私を引き寄せ、キスをせがんだ。私たちは今度は舌を絡ませ合い、ねっとりとしたキスをしたのは初めてだった。
「……甘くなんか、ない」
私がそう言うと、力也は小さく笑っていた。
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