ミヤから手紙が届いたのは、キッドとエミリーが死んだ五日後のことだった。

エアメールの封筒に入っていたのは、たった二枚の写真。

刺激的な色の民族衣装を纏った、南国の真っ黒い肌の人々と、夕方の橙色の海。熱い太陽の香りがしてきそうな写真なのに、どこか切ない風景。
異国の夕刻がそうさせるのか、それとも彼の心なのか、私には分からなかった。

I miss YOU.
           K.M

相変わらずの走り書き。本当に、忙しないひとだ。

私はその文字で、自分の顔をそっとくるんでみた。ミヤの筆跡からミヤが滲んできやしないかって。

「ミヤ……」

悪夢が現実になった。
ミヤが消え、エミリーも消え、キッドも消えて。
ずっとずっと、このまま一緒だって信じていたのに。
大人になんか、なりたくないのに。でも誰も許してくれない。いつも誰かが私のお尻を叩く。
嫌だよ、やっと見つけた私の居場所。大人になったら、消えてしまうくらい分かってる。