ゆん、知らない名前を聞いてカウンターを見ると、ショートカットの若い女がいた。
高校生だろうか、無愛想な表情が少しあどけない。
彼女は私と目が合うと、ふんとそっぽを向いた。
「新入りでさァ……何ていうの、」
白井がそう言いかけると、キッドが拾った。
「ミーハーだよな」
「そうそう、そうなんだよ」
「まだ、ガキじゃないのよ」
エミリーの言葉に、私も相槌を打つ。
すると彼女が私に言った。
「ハル、知らないだろうけどさ、あのコ、キッドと貴志はひいきするんだよ。
でもミノルの扱いときたら!」
そう言ってエミリーはけらけら笑った。