白昼のクラウンに、客はいなかった。 いつもの奥のスペースで、エミリーと白井が語らっている。 私に気付いた白井は、心配そうに声をかけてきた。 「ハルちゃん!もう、大丈夫なのか?」 私は頷いて言った。 「だいぶ落ち着いたよ」 「そうか……昼でもいいから、顔出せよな?」 そう言う白井の気遣いが嬉しくて、笑ってみせた。 「コーヒー飲むだろう?今日はおごってやるよ。 ゆん、コーヒー持ってきてくれ」