けれど私は対照的に落ち着いていた。

というよりも、まるで魂がなくなったかのように呆然としている。

けれど、ミヤの失踪を心のどこかで予期していたんだと思う。

「キッド、もういいよ。
 私は、ミヤの帰りを待つよ」

「いいわけないだろう。一番苦しいのは、お前なんだぞ」

「私だけじゃないよ。ミヤだって……決まってるじゃん」

「アイツはなァ、」

「キッド、もうよせよ」

熱くなるキッドの声も、それをなだめる白井の声も、そして私の声も、どれだけ和声したってミヤの影しか、ここにはない。

忘れることのできないその、シャドウ。

「どんなに愛しても恨んでも、帰って来ないんだ。
 それなら女として、ミヤを待ち続けるしかないんだよ」

私は、静かに誓った。