気がつけば夏で。

大学に通い始めてもう三四ヶ月ほどたつ。その間とあるジャズ喫茶に入り浸るようになった。

お気に入りの黒のタイトスカートに、目の覚めるような深いブルーのシャツをインする。伸ばし続けていた髪もやっと胸のあたりまで届いて、キヨミちゃんお気に入りの美容室でパーマした。

髪型ひとつでこんなにも変わってしまうものかと、キヨミちゃんは驚いてた。

「アンタ、変わったよ。あたしの姪だけはある、素質あるよ」

何の素質のことやら、キヨミちゃんは大きくて少しつり上がった瞳をぱちくりさせてそう言った。

美容室のオーナーは、アンタこそ、その色目で何人の男落としてきたんだい、と、笑いながら呆れて言った。

確かに彼女の瞳は妖気的で魅力的だった。キヨミちゃんは私を気遣ってか、ウチに男を連れてきたことはないけれど、朝昼晩おかまいなしに部屋をあけるのはしょっちゅうだった。