「……ミヤだ」






何かのパズルのピースが、かっちりとはまったような気と、悪い予感とがして、私の心臓が音をたてた。

とっさに写真を表に返すと、そこにはあの時、浜辺で仰向けになって二人で撮った姿があった。

そして机上の鍵を見る。

これは……この鍵は……きっと――。

私はその鍵を握り絞めたまま、とっさに外へ駆け出していた。

あの音は、きっと、ミヤだったんだ。

緊張で弾んだ息が白い。

表に出たけれど、モヤがかかって白んだ景色の中にミヤはいなかった。

「……ミヤ――」