夢を見た。

夢の中で、ミヤは泣いていた。

「ハル、俺は本当にこれでいいのか?」

いつも輝いているはずの彼の瞳が赤く、充血している。

「どうしたの?ミヤらしくないよ」

私はそう言いながら、ミヤの濡れた頬を、片手でそっと包んだ。
その頬は、ひやりとして冷えている。
彼は項垂れたままだった。

「でも、だめだ、俺はお前のために写真を撮り続けるしかないのさ」

彼が小さく見える。

「どうして?」

「お前は、俺の写真に恋してる」

苦しげに呟いたミヤの声が、まるで弓矢で射抜かれたように、私の胸に突き刺さった。
私は一瞬固まってしまった。

いつしか彼の涙は引いていたけれど、まだ項垂れたままだった。

「……そんなことない!」

私は跳ね返すように、強く否定してみたけれど、彼には届いていない様子だった。

殺風景の景色が、だんだんと白んでゆく。

「あっ」

ミヤの体が消えてゆく。

「ハルが好きだ」

「だめっ、ミヤ、行ったらだめだ!」

私はもがくように、手のひらで彼を触ろうとしたけれど、ただ空を切るだけだった。

光に紛れ、光にのまれようとしている彼に、必死に私は訴えた。