ページをめくると、一枚の写真がはらりと私の足元に落ちてきた。

拾って見てみるとそれは私の写真だった。

アップになった、私の横顔。
その目は、どこか虚しさをおびたまま遠くを見つめていた。

あぁ、これはあの時の朝の写真だ。

私はその写真をじっと見つめた。

彼の目からは、こんな風に写っていたのかな。

ミヤはこの写真を貼らずに、こうしてそっとアルバムに忍ばせてくれていたのを思うと、特別に思ってくれているのだろうな。

私は再びその写真をそっと忍ばせると、ミヤが湯気の立ち上るカップを二つ持って私の隣に座った。

そして私の手にあるアルバムを見て言った。

「それ、見てくれたか?
 どうだ、二人で撮った写真は」

「こうして写真を撮ったのを見るのって、面白いね」

そう言いながら、ページをめくる私。

いつもは怠惰に映るこの街が、とてもきらびやかに見えた。

私とミヤの見方ってこんなに違うんだ、おもしろい!