「……いいの?こんなに」
少しかすれた、私の小さい声。
「いいんだよ。
あんた、本読むの好きでしょう?
あんたのお母さんにちゃんと聞いたんだ。
私の友達にも本好きがいてね、選んでくれたんだよ」
そう言ってキヨミちゃんは暖かい瞳で私を見た。
「ハルの卒業祝いと、合格祝いだよ。
おめでとう」
私は感激した。
それよりも、なんだかむず痒い気持ちだった。
キヨミちゃんからのこの嬉しさをどう表現すべきか、どうお礼を言うべきか、そっちの方に気を取られてしまって、私ってば素直に喜べばよかったのに、
なんて可愛くない。
「……ありがとう……」
結局恥ずかしくてぶっきらぼうにお礼を言ってしまい、私はうつむいてしまった。