部屋の前に着くと、ドアをノックする。

少しどきどきしながら待っていると、しばらくしてから足音がして、ガチャリと少しだけドアが開いた。

胸が高鳴る。

そしてすぐにガバッと勢いよく開くと、そこには驚いたミヤの顔があった。

案の定だ。

「こんにちは。起きてた?」

私は笑顔でそう言った。

「……ハル……」

一瞬言葉を失った彼は、ちょっとだけにやりと笑い、

「……半起き。
 けど、すっかり目、覚めちまったよ」

「お邪魔してもいい?」

私の問いかけにミヤはみるみるうちにいつもの笑顔になり、

「やっぱりお前は俺の城が好きなんだな」

そう言って私を入れてくれた。