私はきゅうっとミヤに体を寄せ、ミヤのまわした腕には力が入るのが分かった。

鼻の奥がつんとするのを感じ、夢のようなこの時間をうんと味わっていた。

「もう……私は独りじゃないんだね」

溢れる想いを噛み締めながら、私たちはしばらくそうやって、甘い幸福に身をゆだねていた。