それから話題はクラウンのことになった。
ミヤはまだ、自殺未遂をした以来エミリーに会っていない。
彼女の自殺未遂のことは何も言わなかった。
エミリーのためでもあり、マサを失ったミヤのためでもあった。
私は何となく、一、二ヵ月前の貴志との出来事を彼に打ち明けた。
ミヤは前を見据えたまま黙って耳を傾けていた。
私が話し終えると彼は静かに言った。
「男って、ホントに無能でバカだよなァ……」
その言葉に、私はキッドの言葉を思い出した。
――オトコって、あわれで哀しいモンよ
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…