あれから一週間後、私はミヤの運転する車に乗って海に向かっていた。

秋の海、なんて初めて。

あれ以来ミヤとはいつの間にか一緒にいるのが当たり前になっていた。

知らない店や場所をいつも二人で巡って、ミヤはいつも新しい世界を教えてくれる。

「今日も写真を撮るの?」

私は口数は相変わらず多くないけれど、昔ほど無口ではなくなり、よく笑うようになった。

そんな私を一番驚いていたのは自分ではなく、クラウンの仲間たちだった。

ようやくクスリや酒の落ち着いた力也は、

「俺は知らないうちに幻覚が見えるようになってたのか?」

なんて言っていた。

「いや、今日はただお前とのドライブだよ」

「しっかりカメラ持ってくるのは、写真家のサがだね?」

ミヤの首にはきちんとカメラがさげてあった。