久しぶりにわくわくした。

探検してみようかな

なんてのん気に思った。


私はマフラーを巻きなおし、しっかり両方の手をコートのポケットに突っ込んで歩き出した。



知らない街を歩くのは好きだ。

その場所独特の空気がある。

素敵な隠れ家を見つけると宝物をもらった気分になる。



繁華街や人の集まるとこは苦手だった。

街の空気を人間が勝手に変えてしまってる感じがした。



私は駅前の商店街を見て歩いた。

パン屋さんのいい匂いが立ち込めていた。

夕飯の買い物してるおばさんたちが立ち話に花を咲かせている。