私には夢なんてなかったから。

柊くんの唄ぐらいしか、熱くなれるものもなかったから。



そんな私が持ってない夢を持ってる柊くんが、大好きだった。



だから私はいつでも柊くんの一番のファンでいたかったし、応援者でいたかった。

柊くんの夢は、代わりに私の夢でもあるんだ。







相変わらず、水曜日と土曜日、柊くんは駅前の広場で唄っていた。



柊くんが唄う日は私は必ず会いに行った。

その後、柊くんは私を家まで送ってくれる。