私はバンドメンバーからも『かりん』って呼ばれていた。

柊くんが私のことを『かりん』って紹介したからだ。

でも、もう『かりん』って呼ばれることに何も違和感はなかった。

最初に会った時に

「確かに『かりんだ』。」

って発言が気になったけど。





「俺がいない間に散らかすなよ。」



柊くんは相変わらず薄着だった。



「ちゃんと送ってけよ。」



大剛さんが言った。



「分かってるって。」



柊くんはVサインを突き出しながらにこって笑った。