「柊くんのもう1つの大切なことが『かりんが幸せになってくれること』なんだって。」



それが分かったから。

柊くんを送り出そうって思った。

その気持ちだけで、もう十分。



「かりんの大切なものは何なの?」



隼人くんが優しい口調で尋ねた。



「私の大切なものは…、



『柊くんが唄っていてくれること』

私は柊くんが夢に向かって頑張ってる姿が一番好きなの。
柊くんには思いっ切り頑張って欲しい。

柊くんが頑張って唄っていてくれるだけで私も頑張れるし、幸せなんだ。」