「あの…、何してるの?」



「………。」



やっぱりあえてシカトされてる。

思い切って話しかけたのに、その人は返事してくれなかった。

こっちも見ずにひたすら楽器をいじっていた。



なによう…。



負けず嫌いな私は話しかけ続けた。

「ねぇ、寒くないの?」

「……。」

「もしかして聞こえてない?」

「……。」

「楽器やってるんだからそれはないか。」

「……。」

「邪魔?」

「……。」

「何か言ってよう。」



あ~あ、なんか虚しくなってきた。



「じゃあ最後の質問。」

「……。」



「それ、何の楽器?」