「そんなでかい体してるくせに気が小さいんだから。
細かいこと気にしても仕方ないでしょ。
不安なのはわかるけど。
きっと他に採用された人も不安だと思うし。
新しく人間関係築いてくのはツライでしょうけど、がんばって。
今は手をつないであげるから」

 「うん、ありがと」

手をつないで、
さっきまでより距離が近い状態で歩く。

手から伝わる彼女のぬくもりが、
幸せを感じさせてくれた。

進むにつれて木の種類が変わった。

芝の範囲も少なくなり、
土の地面が増えていく。

「あ、ここらへんにあるの全部桜の木だ。
春になったらキレイに咲くんだろうなぁ」

華子は木を見つめていた。

「じゃあ、桜が咲いたら二人で花見しにここにこようか」

「……そうね」

少し声のトーンが落ちたのに違和感があった。