「そうねぇ。
最初の印象は松原くんのかっこよさに目がいってたから」

「あー、そっか心理学かなんかの教職の講義でオレを見たんだったっけ」

「そうそう」

「オレが最初に覚えてるのは部室に行ったときだったからなぁ。
あんときの印象は?」

「んー、特に。
松原くんの隣にいた人だ、
くらいにしか思わなかったかな。
そんな怖いとかは感じなかったよ。
ごっちんたちと一緒にはいってきて、
へらへら笑顔だったからかも」 

「そっか」

「ていうか、前にも言ったでしょ。
同じようなこと」

「うん、聞いた。
でもなんとなく訊きたくなってね。
ほら、明日同じく採用された人たちに会うわけじゃん。
そんときやっぱ怖いって思われんのかなぁって気になってたもんで」

「そんな第一印象気にしたって仕方ないでしょ。
でも、とりあえず言えるのは、
たぶん年齢どおりには見られないわね」

悪戯っぽく笑う彼女。

手を出してきたので、それを握る。

拒否はされなかった。

それから手をつないで歩きだす僕ら。