「翔真ぁ!早く部活行こーぜ!」

「おうっ」


放課後。

生徒で賑わう教室の中、俺はでっかいエナメルを肩にかけ、先行く大輔を追い掛けた。


──ガシャンッ!


そんな音に反応し、後ろを振り返ると──


「ぎょえ!?」


なんと、誰かの筆箱が床に落ちていた。
辺りにはペンやら消しゴムやらが散乱している。


絶対、俺のエナメルが直撃したせいだ。


「わりぃ!」


謝りながら、慌ててペンを拾う。

しかし三角定規が床に貼りついててなかなかとれない!!
こいつは強敵だ。
下手したら爪の間に定規の角が食い込んで悲惨な事になる。


それでもなんとか全部拾い集め、顔を上げると。


──そこには、中村がいた。