「……好きだから」


頭で考えた言葉じゃない。
心臓から直接喉まで送られてきた言葉は、自分でも止められなかった。


「好きだから……中村の話、してたんだよ」


顔が熱を帯びたように熱くなる。

おそらく中村の目に映る俺は、ゆでダコみたいに真っ赤な顔をしてるんだろう。


ポカンとして少し目を見開く中村から、すぐにでも目を逸らしたかった。

けど逸らしたら、想いがちゃんと伝わらないような気がして。
霞んでしまうような気がして。

俺は少し、意地になっていた。










「……俺と、付き合ってください」