家の前に着いて


「わざわざ送ってくれてありがとね!!」


背の高い亮を見上げて言う私。


帽子の影でどんな顔をしてるのか
よく分からなくて
覗きこむようにしていると


---ギュッ---


突然抱きしめられて



「ど、どうしたの??」

慌てる私に


「少しの間、このままでいさせてな。」


低く落ち着いた声が耳に響く…



しばらくして顔を上げた亮は、ははっと笑って


「愛って小さいのな。俺の胸しかねんだもん。」


と、手を胸の位置に当てて言った。


「どうせチビですよーだ!!」

頬っぺを少し膨らませて言うと
それを指で潰してまた
ははっと笑った。


「寒いから家入んな」

そう促されて私と亮はばいばいした。