カチャリと鍵をはずした音がした。
ドアを開けると、ぬいぐるみを腕に抱きしめ暗闇の中で立っている由実がいた。
電気をつける。
沈黙のまま二人はベットに座った。
でも、微妙に距離が空いていた。
由実はうつむいている。
「ごめんな・・・」
否定するように由実は必死に首を振った。
「怒ってごめんな・・・」
「ちがう・・・あたしが悪いんだよ」
ずっと泣いていたのだろう。
由実の声はかれていた。
「あたし重いよね・・・。嫉妬ばっかりしちゃって・・・」
「ううん。重くなんかないよ」
今の俺にはそれだけしか言えなかった。