授業になんて集中できるわけがなく。



俺は、ずっと由実から連絡が来るのを待っていた。





でも、いくら待っても来なかった。





痺れを切らした俺は、授業を抜け、由実の家まで足を運んだ。





__ピンポーンピンポーン



チャイムを鳴らすと由実の母親らしき人が出てきた。




「どちら様でしょうか・・・?」




「あの・・・高橋と言いますが」




「まぁ!竜也くんね!由実から聞いてるわよ!」



俺と分かると、由実のお母さんはべらべらと喋り始めた。




「こんなカッコイイ彼氏なんかもらっちゃって・・・由実をよろしくね」



お母さんは口を手に当てて笑っている。



どうやら由実から俺が彼氏と聞いているらしい。