あたしは肩を落とし、落ちたフォークを拾うと
新しいフォークを取りにショッキ棚へ向かう。
ショッキ棚は、シバが寝ているソファーの裏側にあって
フォークはシバの頭上らへんの棚にあって
あたしは必然とシバに覆いかぶさるようになった。
フォークを棚から出すと
あたしは自分の下にいるシバに視線を向けた。
シバは丸くなってるから横顔しか見えてないが
色白な肌や小さな猫口、
キリっとした眉に綺麗な鼻、
栗色のふわふわの髪、
そしてあたしが写る真っ黒な大きな目は
やっぱり、カッコイイと思う。
…ってか
「起きてるし!」
「悪い?」
「べ、別に…」
シバをじっくりと見ていたことが
なんだかはずかしくて
あたしはそそくさとショコラの元へ帰った。