あたしの叫びが聞こえてるハズなのに

シバはソファーに丸くなったまま。



「シバ、寝たね?」


あたしたちのやり取りを見ていたミチルさんが

笑いを堪えながら呟いた。


シバは本物の『おやすみ3秒』。

3秒で、まじで寝る。



「〜っ、ムカつく―――!!!!」


シバの丸い背中を見ながら

あたしは足をバタつかせる。


ショコラの一部でも…

たった一部でも…



取られたことが悔しい。



ぶす―っとしてると


「早く食べないと

起きてきたシバにまた食われるよ?」


ミチルさんが今度はニヤニヤしながら言った。


そ、それもそうだ…!!

あたしはあらためて丁寧にショコラをカットすると口に含んだ。