「…なに。嫌な予感しかしないけど」
「いいからちょっと!」
人差し指を縦横に動かして恭を呼ぶ。
ためらいがちに顔を近づける恭の耳にそっと近づいた。
「恭って、好きな子とかいるの?」
「……
………は?」
「だから、好きな子とかいるの?って」
恭はあからさまに大きなため息をついた。
「なに言うかと思ったら。突然なんだよ…」
「だって!恭にはいつもお世話になってるし。相談とか乗りたいし…
……恭の恋バナなんてそんな楽しいこと、聞きたいじゃない!!」
「結局そこじゃねぇか!」
日和が後ろでクスクス笑っている。