やっと終わった醜態を
また自分の手でぶり返してしまった。
真っ赤であろう顔を両手で隠すと同時に
教室のドアがガラリと開いた。
『おーい、始業式だ。廊下に並べ~』
担任が顔だけを見せ、そう言った。
先生ナイス!と心の中で呟き、日和と恭の背中を押す。
「ささっ!早く廊下に並びましょう!」
えーっと言いながらも素直に押される日和。
恭は無言のままだった。
みんなそれぞれにダラダラと教室を出る。
廊下に出た瞬間、凍るような空気が全身を刺した。
校内に居るはずなのに息が白い。
まだ1月かぁ
早く夏になってほしいなぁ
心の中でそう願った。