あたしが被害者なのに出る幕がない…
『ほらほら、みんな。そのくらいにして早く食べなさい』
やり取りを見たまさき叔母さんが笑いながら言う。
恭は泰ちゃんの手から離れて、そそくさと席についた。
いつもの食卓テーブルには全員座れないので
大人は食卓テーブル、子どもは床に大きなテーブルを置いてそこで食べる。
そのほうが、大人は大人、子どもは子どもで楽しめるからと昔からこのスタイルだ。
恭は頬をさすりながらお節料理をつつく。
そんな姿を見て、はぁとため息をついた。
「言っておくけど、恭が悪いんだからね」
「何で俺なんだよ」
「泰ちゃん怒らせるようなこと言ったからでしょ?」
「え゛……」
泰ちゃんが固まる。
「あれ?違うの?さっき言い合ってたのって」
『なに?なんの話?』
話を聞いていた晴美ちゃんが訪ねる。
「その話のことはいいから…」
泰ちゃんの言葉に、恭はニヤニヤにやけていた。