泰ちゃんの大きい手が、あたしの頬に触れる。
近づく泰ちゃんの顔。
あたしは目を瞑った。
…キス
初めてのキス。
少し触れただけの
だけど優しくて、とろけそうなキス。
「…へへへ」
「…なに?その笑い」
泰ちゃんが照れながら言う。
だって幸せすぎるんだもん。
好きな人とのキスが…
こんなにも素敵で、こんなにも幸せになれるなんて知らなかった。
唇がこんなにもあたたかいなんて知らなかった。
泰ちゃんが好き。
すごくすごく愛しい。
“初めて”はやっぱり好きな人とがいいから…。
泰ちゃんとずっとずっと一緒にいられますように。
あたしはそっと願った。