「ごめん…、ごめ、ははっ」


俺が笑うから蜜葉は余計に不機嫌な顔になって

もう知らない、と俺から目をそらした。




「もう中入ろう。寒いだろ?」


蜜葉の背中をポンッと押して、俺は玄関の持ち手に手をかけた。



「…え? ちょっ、ちょっと待って!」


でもそれは、蜜葉の声によって止められる。



「ん?」


呼び止められ振り返ると、蜜葉はもじもじして下を向いた。



「き、聞かないの? その…へ、返事…」





………返事




「もういいよ」


「えっ……?」