俺がそんなことを言ったからか
蜜葉は膨れっ面をして俺に黒色のマフラーを乱暴に渡してきた。
「…泰ちゃんが、泰ちゃんがいけないんだよ!?
こんな寒い中、上着も着ないでマフラーもつけないで外出ていっちゃうから!
…ってお姉ちゃんに聞いたから」
よくわからない日本語で、途切れ途切れにボソボソ呟く蜜葉。
そんな蜜葉に、俺は黒いマフラーを巻ながら笑ってしまって
その瞬間、キッと上目で睨まれ
「ご、ごめん…」
思わず謝ってしまった。
謝らなくてはいけない立場なのだけれど…。
何を言われるのか構えた俺に返ってきた言葉は、俺の予想外の言葉だった。