「……はくしょん!」




だいぶん冷えてきたな


白い月をずっと眺めていたら

いつの間にか結構な時間が過ぎていた。



もうそろそろ帰ろうか

ずっとこうしてる訳にもいかないし。




…蜜葉のやつ、どうしてるだろうな。


こんな俺の為に悩んでくれてる?
それとも呆れているんだろうか。



どちらにしろ、家に帰ったら蜜葉と話そう。



俺は公園を出て家へと向かった


行きよりも少し早く歩いて。








家まであと少しのところだった。



「――くしゅんっ」



聞き覚えのある、鈍くさいくしゃみが聞こえてきたのは。




「……あ」