こういうのを、虚無と言うんだろうか。



さっきまで怒りで震えていたはずなのに


心が、空っぽになってしまった。






「本当に泰ちゃんがそんなことを…?」



黙って話を聞いていたお姉ちゃんが、あたしの代わりに口を開いた。





「泰輔から言ってきたんだよ。

蜜葉とはもう会わないから安心してくれ、と」








あたし、何も考えてなかった。



ただただ、お父さん達を困らせたくて

あたしと泰ちゃんの関係を伝えた。






けど泰ちゃんは、それだけの覚悟をもって

自分の気持ちを言ったんだ。