逃げたい
本当は逃げ出したい。
けど、
きちんとあたしに伝えてくれたお姉ちゃんと
ずっと1人で抱え込んでいたかもしれない泰ちゃんを思うと
あたし1人だけ逃げることなんて出来ない。
それに、やっぱり知りたい。
過去に何があったのか。
「いこう、お姉ちゃん。きちんと聞きにいこう」
「無理してない?」
お姉ちゃんが心配そうに顔を見る。
無理…は、してるかもしれない。
けど、
「それはお姉ちゃんも一緒でしょう?」
そう笑うと、お姉ちゃんも柔らかい顔をした。
真実を知って
もう二度と笑えなくなるかもしれない
それでも、あたしは知りたいと
知らなきゃいけないと
そう思った。