どれだけ情けない顔をしていたんだろう。
お姉ちゃんと晴美ちゃんが顔を見合わせる。
『泰輔ならきっと、家に帰ってるよ。大丈夫』
晴美ちゃんの笑顔は元気になれるし、優しい気持ちになれる。
だけど今は、「うん…」としか返せなかった。
「蜜葉、少し話しても大丈夫?」
お姉ちゃんが真剣な顔で切り出す。
2人が座り、一足遅れてあたしも座った。
「少し…、おかしいよねみんな」
「うん。お母さん、真っ青な顔してた。お父さんもぎこちなく笑うし、叔母さんも叔父さんも変だった」
『あたしね、実は昨日の夜、話し声を聞いたの』