ていうか泰ちゃん、それって…
「……ヤキモチ?」
「……」
泰ちゃんの顔が赤くなっていることに気づいたのは
あたしの顔が熱くなった後だった。
泰ちゃんは
わかりにくくて、わかりやすい。
照れくさそうに前を向いて歩き出した泰ちゃんと離れたくなくて
そっとその手を握った。
土手に着くと、そこにも人はたくさんいて
けれど綺麗に花火が見えた。
田舎町の花火大会だから、そこまですごいものじゃないけれど
それでも、上がる花火の一発一発を
隣にいる泰ちゃんの横顔を
日和を、恭を
目に焼きつけていようと思った。