「蜜葉!!」
「あ、いたいた!ごめんね日和。ここまで来るのに時間かかっちゃって」
人混みをかきわけてやっと日和の傍へ駆け寄る。
「ううん。この人じゃ、しょうがないよね」
花火大会当日
まだ空も明るいというのに、河原にはスゴい人だかり。
場所取りのシートを持って走り回っている人や
くじで当たったオモチャで遊ぶ子供たち
たくさんの人たちで賑わっていた。
平和な町だけど何にもないから みんなイベントや行事にはスゴい力をいれるみたい。
「え…と。蜜葉…っ」
まるでシュミレーションしていたかのように横目でチラチラと、あたしの隣にいる人を見上げる。
その姿が何だかおかしくて、少し笑ってしまった。
「紹介します。泰ちゃんです」