─仁side─





「もしもし?」


いきなりの電話だった。
それは安也子から…




「じ…ん……死にたくない…よ…仁…」
「安也子!?待て俺が今行く!」
「…く…るし…い」
「安也子!?死ぬな死ぬな!俺を1人にすんなよ!安也子…安也子!」



俺はもうダッシュで病院の安也子のいる病室へ向かった。



「安也子っ!」
「…じ…ん…」


安也子はかろうじて助かったみたいだった。

近くにいたナースが、必死に看病してくれたらしい。


安也子に髪の毛はない。

薬の作用でなくなった。



テレビでしかあり得ないと思っていた白血病が、まさか一年前のクリスマスに、愛しい人がなるなんて…











「安也子、大丈夫か?」
「…だ…いじょ…ぶ…仁が来て…くれたから…」
「そうか。俺はいつでも安也子の傍に駆け付けるからな。安心しろ。」
「うん…」




白く柔らかい肌

長い睫毛

潤んだ茶色の瞳

小さな暖かい手



「仁、」
「ん?」


チュッ


安也子が俺の頬にキス。



「仕返しきつくなるよ?」
「仁は優しいもん。」




チュ、、、