「母親を守れず、それどころか自分が守られた」


あぁ、そうだ。

守ると誓ったのに、
何も出来ず俺は
母さんに守られた。


俺のかわりに、
母さんは死んだ。



「無力な自分が憎いだろう?」

そう言って、彼は
俺の目の前にまで
来て足を止めた。


「もっと自分さえ強ければ、そう思わないか?」


『・・・・お前は、何が目的なんだ』

冷たい瞳をしたナオに、
レイはクスっと笑う。


「俺たちのところに来ないか?そうすれば、お前はより強くなる」


『何を言って・・・』

「さぁ、はやく選べ。 お前の体も、もう限界だろう?」


そう、ナオはすでに
意識がなくなりそうなくらい、
体は限界だった。


「無力のまま死ぬか、強くなるために生きるか」


ナオの答えは、
ただ一つ。


『俺は、強くなる・・なってやる』