そんな事を考えているとき、 耳元で声が聞こえた。 「宝石どろぼー」 クスッと笑いながら言ったその言葉に、 俺は はっ、となる。 今の、声は・・・ いそいで振り返ってみれば、 人ごみの中 微かにだが、見覚えのある赤い髪が見える。 「クラル、急用できたから俺行くわ」 「はっ!?ちょ、シーク!?」 驚いているクラルを置いて、 俺は赤い髪を見失わないように 人ごみの中走り出す。