舞踏会で見た血の色によくはえる金糸の髪に空を映した様な碧眼。

そして初めて見る焔の様に目に焼き付く紅い髪と瞳。

二人とも、フードも仮面も付けていなかった。

「ちょっ、速くルゥから離れろよ!!」

と、子どもみたいに叫ぶナオ。

「えっ俺か?」

誰が見ても、ルゥが馬乗りになっている様にみえるのたが・・・

あれっ、 と思っているシークの頬から、
栗色の髪が、ふっ と宙に浮いた。

『わっ』

「全く。ルゥもさっさと退けろ」

はぁ、 とため息をつきながら、
レイはヒョイッ、 とルゥを抱き上げ、
そのままルゥを担いだ。

『・・・自分の足で歩く』

担がれたことに、少しムッとするルゥ。

「左足、怪我してるだろ。無理すると、余計治りが遅くなるぞ」


その言葉に、
渋々レイに担がれるルゥ。


そんな突然現れた2人に、シークはニヤッと笑う。

「いいのか?お前等、顔見られて」


刹那、
空気がピン、 と冷たく痛々しくなった。

ナオの表情は、相変わらずニヤッと笑っている。

が、

目は氷の様に、ナイフの様に冷たく、鋭くなっていた。

さっきの子どもっぽい姿は消え去っている。
さっきまでのナオとはまるで別人だが、
これが本来のナオの姿。


「別にいいよ。お前なんて、いつでも殺せるもの」

クスッと冷たく笑うナオ。

「・・ふーん」

そんなナオに対し、
シークも少し冷めた返事をした。