「・・・・・」

ルゥの剣はシークの顔、すぐ横に刺さっている。

ルゥは剣で体制を支えたため、
シークの上に直接倒れ込むことはなかったが、

衝撃でフードが脱げてしまった。


目の前に見える、少し怒っている表情。
微かに頬に当たるブラウンの髪。


こんなに可愛い顔をした少女が、本当に殺し屋?


シークが初めに思ったのは、それだった。

俺より、1歳か2歳年下であろう少女。
そんな少女が、皆から恐れられる殺し屋の一人。


「ほら、やっぱり女だったじゃん」

クスッと笑いながらそう言われたルゥは、
ピクッと反応した。


『どうせお前も他の者たちと・・・同じ』

グッと左手に力を込め、剣を抜こうとした時、

「ルゥに近づいてんなよっ」

少しムッとしている声、
その声は、今ではもう聞き慣れている。