「右腕の傷、見せろ」

その命令に、
ルゥは少し後ろに下がり、拒否する。

『お前には関係ない』


「ま、いーけどさ。でもそのままだと出血多量で死ぬよ」

地面に溜まった血を見て、シークはクスッと笑いながらそう言った。


未だ止まる事なく流れ出る血、
ルゥは貧血でフラッと体制を崩す。

そのルゥの右手を、シークがガシッ と掴み、またクスッと笑う。

「ほら、もう体限界じゃん」

そのままシークは、手当てをするために
ウエストポーチから布を取り出し、止血をする。


コイツ、やっぱり・・・・・


「なぁ、お前ってさ」


フードで隠れ、顔は見えないけれど、
シークはルゥをジッ、 と見る。


「本当に男か?」


男の割には、声も高い。
それに、腕も男とは思えないほど細い。


『・・・・・』

無言のまま、立ち去ろうとするルゥの腕を、シークが掴む。