大勢居たポリスも後僅か。

ルゥはナオから大分離れた所に立っていて、
また、すぐ後ろには崖があった。


二人のグレーのマントとフードは血で赤く染まっているのを、月が不気味に照らす。

『そろそろお遊びは終わり』

「はいはい、もうすぐ夜が明けそうだしね。さっさと殺して帰ろっか」

そう言って、二人が一歩前に出たとき、
ドドドドッと地響きがし、激しく地面が揺れる。

「チッ、こんな時に地震かよ」

バランスを崩したシークは木から飛び降りて、
まだ揺れている地面に着く。


一瞬、ルゥがバランスを崩してしまったのを、
一人の若いポリスが見逃さず、
ルゥに向って襲い掛かる。


バランスが悪く、上手く避けれなかったルゥの右腕にポリスが持っていたナイフが刺さる。

チッと舌打ちをし、ルゥはすぐに男の首を切り落とすが、
勢いよく突っ込んできたポリスと共に
フラッと崖から落ちる。


『ナオ!お前は先に戻ってろ!』

その言葉だけが響き、
ルゥの姿は暗闇に消え落ちて行った。


ナオはすぐに生き残っているポリスを斬り殺し、谷底を見たが、
さっきまで辺りを照らしていた月は雲に隠れ、真っ暗でなにも見えない。

「その崖の下は川だから死んでねえぞ」

シークにそう言われたナオは、ゆっくりと振り向いて、

「川じゃなかったら死んでるとでも?」

そう言うと、クスッと笑い
「あ、それともルゥが崖から落ちて俺が心配してると思った?崖から落ちたぐらいで、アイツは死なない」


俺たちを他の屑どもと一緒にしないでよね

その言葉を残し、
ナオは姿を消した。